中国のネット通販最大手「アリババ集団」は、成田空港や関西空港を含む世界10箇所の空港で、スマホ決済システム「アリペイ」が導入されると発表しました。
関西空港では、先週から一部店舗でアリペイでの支払いが可能になりました。来月末までに、およそ200ある店舗のほとんどで使えるようになるということです。一方、成田空港ではきょうまでに4店舗が導入し、今後、拡大を急ぐ計画です。
また、4億5,000万人にのぼるアリペイのユーザー数に着目し、決済だけでなく、アリペイのアプリを通じて空港案内などを情報発信し、成田の利用者拡大につなげたい考えです。
このほか、シンガポール、ソウルなど10の空港で年内にアリペイが使えるようになる見通しです。アリババは、世界各国の玄関口である空港での導入を進めることで、事業のグローバル化を一気に加速させたい狙いです。
【人民网】日本語版報道
「支付宝」(アリペイ)は26日、ドイツのミュンヘン空港や日本の成田国際空港をはじめとする海外10空港と協力関係を結んだ。国慶節(建国記念日、10月1日)の連休を皮切りに、協力空港では支付宝の利用が可能になり、中国人観光客向けに支付宝での決済サービスや飲食・娯楽情報サービスが提供されるようになる。中国のインターネット企業と海外の空港産業の間で結ばれた最大規模の協力関係のスタートだ。
支付宝は同日、「グローバル未来空港計画」の開始を発表し、将来の観光客は海外の空港で、支付宝での買い物が可能になるだけでなく、支付宝を通じてフライト情報、空港施設のナビゲーション、ワンクリックでの電動カートの呼び出しといったサービスを利用できるようになることを明らかにした。
このたび支付宝と協力関係を結んだ海外10空港のうち、半数は旅客・貨物処理能力が世界の上位30位に入る空港で、ミュンヘン空港、シンガポールのチャンギ国際空港、韓国の仁川国際空港などが含まれる。10空港は支付宝プラットフォームを土台として、中国人観光客にキャッシュレスでの買い物やワンクリックで空港内の飲食店や娯楽施設を探せるサービスをうち出していく。
観光客が空港に足を踏み入れると、支付宝はビッグデータに基づいて観光客の嗜好を分析し、好みにあった店舗の優待情報を送ったり、位置情報を利用して近くにある飲食店や娯楽施設の案内をしたりする。こうして普段あまりなじみのない海外の空港が、一転して親しみのあるビジネス圏に変わる。買い物で決済する時には、支付宝で決済することもできれば、後払いサービスのアントチェックレーターや金融商品の余額宝での引き落としにすることも可能だ。便利で時間もかからず、外貨に両替したり小銭を探したりする煩わしさから開放される。
ここ数年、海外旅行に出かける中国人観光客が急増しており、今年上半期はのべ5903万人で、前年同期比4.3%増加した。海外旅行客のニーズに合わせて、支付宝は世界で「未来空港」プロジェクトを推進し、今後はより多くの海外の空港で支付宝の応用事業を進める計画だ。
日本の関西国際空港の関連責任者は、「支付宝との協力に非常に期待している。双方の協力により中国人観光客はキャッシュレスでの買い物などの便利なサービスを利用できるようになる。10月末までに、空港内の支付宝カバー率を100%に近づけたい」と話す。
過去2年ほどの間に、支付宝の国際化プロセスが徐々に進展してきた。今年8月には、欧米、日本・韓国、東南アジア、香港・澳門(マカオ)・台湾地区などで、支付宝が利用できる実店舗は8万店を超えた。