アリババ、日本事業加速、春節の消費拡大にらむ、仮想商店街、出店50社に増加、訪日客向け、電子決済を拡充。

2016 年 08 月 26 日


2月8日の旧正月(春節)を控え、中国ネット通販最大手のアリババ集団が日本事業の強化に乗り出す。中国の消費者が日本製品に興味を持っているため、中国で展開している海外企業向け仮想商店街「天猫国際(Tモール・グローバル)」に出店する日本企業を約50社に拡大。春節に訪日する中国人観光客向けに電子決算サービス「支付宝(アリペイ)」を扱う日本の店舗数も約200カ所まで倍増する。


「寒い冬空に暖かさを」。子供服「ミキハウス」の中国でのネット販売を担当するミキハウストレード(大阪府八尾市)は天猫国際で子供服をセットにして通常価格の3〜5割に値引きした「福袋」を売り出した。春節の帰省前に購入する都市住民など向けに売れ行きは好調だ。


実は、中国には「福袋」はなかった。しかし、ミキハウスのほか、バッグ企画・販売のサマンサタバサジャパンリミテッド(東京・港)も福袋を発売し好評を博した。アリババ日本法人社長室の赤塚保則部長は「今年は日本の福袋が中国での流行トレンド。日本企業の存在感が高まってきた」と指摘する。


天猫国際は2014年に開設された。通常の中国国内の仮想商店街と異なり、準拠するのは香港の法律。現地法人の設立や銀行口座の開設、販売許可などが不要で、中国の消費者が個人輸入の形をとる。出店のハードルが低いため、マツモトキヨシなど日本企業の出店が15年に急増した。


春節時に訪日する中国人観光客向けを狙ったサービスも拡充する。スマートフォン(スマホ)と2次元バーコードを組み合わせた手軽な電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を扱う店舗数を従来の約100店舗から春節前には2倍の約200店舗まで増やす。


アリペイはアリババの仮想商店街の決算基盤として普及しており、スマホアプリの利用者は約4億人。実店舗の決算手段として利用が拡大。スマホの画面に表示される認証用バーコードをレジで提示し、店員がタブレット(多機能携帯端末)で読み取るだけで、銀行の専用口座から引き落とすことができる。


春節に向けて、ローソン、近鉄百貨店などが相次いで導入。コンビニエンスストアや百貨店、家電量販店、ドラッグストア、アパレルや飲食などの大手企業に広がった。当面は日本で店舗数を増やして訪日観光客向けサービスを拡大するが、将来は日本人の消費者にも利用してもらえることを視野に入れている。(多部田俊輔)

【表】アリペイの主な導入企業・店舗
▽家電量販店
ヤマダ電機
▽ディスカウントストア
多慶屋
▽百貨店
近鉄百貨店
▽ドラッグストア
ウエルシアホールディングス
▽コンビニエンスストア
セブン―イレブン・ジャパン、ローソン
▽飲食
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